御囲章木版画展ー一版多色刷り彫りすすめ [アート]
木版画展ですから御囲章さんの作品は木版画です。
ただ小学生のレベルの知識では多色刷りといえば色数だけ版を彫って、あるいは遠くの方の色は同じ版でも別の色でもできますが、それでも何枚か版を彫らなければ制作できないことになります。
「一版多色刷り」というのは版木は1枚なんです。
一枚で何色もってどういうこと?「彫りすすめ」って?
まず色をのせる部分を彫り、一番薄い色を刷ります。
一番薄い色の部分だけ彫って次に薄い色を刷る。その次に薄い色の部分を彫ってその次の次に薄い色を刷る。・・・の繰り返し。
例えば一番薄い色が黄色、次に薄い色が黄緑、その次に薄い色が緑・・・繰り返して最後に黒、みたいにね。彫りながら刷っていくから「彫りすすめ」
言葉だけの説明ではわかりづらいですよね。まあ観に来てみてください。
とにかく、版が変化していくので10枚刷ろうというのならばどん段階でも10枚は刷っておかないと後で追加はできません。普通、版画は追加がききます。だから作家によっては1枚ずつしか制作せず注文があると刷るということもあります。(10枚と決めてエディションナンバーの分母が10なら11枚とか12枚とか分子が10を越える事はありませんが)しかし、「彫りすすめ」の場合注文があってから刷るということはできないのです。
今日は御囲作品の技法について書きました。
技法は知識的な部分で作品の真髄ではありません。
少しずつ本質に迫っていけたらいいなと思っています。