猫町・風雅な通りー山口マオ新作展 [アート]
木版画は理詰めの世界だと山口マオさんは言います。
昔のように絵師刷り師彫り師という分業制だった時代(今も分業している場合もありますが)ならともかく、今のように全部自分でという場合感性の赴くままにということはできないのです。
下絵に対して色数を決め、それに対して何版かに絵を分解していく。
あるいは色数版数を先に決めたとしたら下絵には自ずと制限がかかってきます。その中でどんな絵にするかを考えていく。
いずれにしても筆の動くままにという行き当たりばったりは許されない。
分業制だった時代だって、分業だった故に予算というか予めの世界で制作していかなければならないのが木版画だった。少なくとも制作の途中であんなモチーフも入れてみようなんていうことはできないこと。
その制限が面白くもあるのだが。