魂迷神怪海謡ー水野加奈子日本画展 [アート]
昨日、日本画の伝統的な絵の具は薄塗りにこそ魅力を発揮するのではないかという水野加奈子さんの思いをこのブログで書きました。今日の絵も薄塗りの良さが発揮されています。
モチーフは人魚です。人魚ですが羽衣を纏って。
水の透明感と羽衣の透明感。それはまさに人魚の透明感。
この透明感は薄塗りでなければ出せません。
美しい薄塗りのためには良質の絵の具が欠かせません。
日本画の絵の具と言えば、岩絵の具。
美しい青はラピスラズリ。緑はクジャク石。コーラルピンクは赤珊瑚。・・・。
・・・・お高いんです。
新岩絵の具というのもあって、色ガラスを砕いて作るのだそうです。天然岩絵の具より鮮やかな色もあったりします。これはお手頃なのですが、色がのびてくれなくて美しい薄塗りができない。
今回の水野さんはいい絵を描くために全部ではないけれど、天然岩絵の具を奮発しました。
羽衣の透け感。軽さ。羽衣の下の人魚の鱗の質感。手の水掻き。・・・。
何よりもその優しい存在感。
理想の絵を描くための水野加奈子の気迫を感じます。
作家在廊日
6/14(木) 終日
15(金) 15:00~
16(土) 終日
17(日) 終日(17:00終了)