昔は良かったと言いたくはないけれどー横尾忠則&宇野亜喜良 [アート]
「あの時代は良かった」という考え方は好きではない。
混沌の時代はエネルギッシュであることは間違いない。
デザインもアートも混沌としていた時代。横尾忠則も宇野亜喜良もデザイン界に出て来た時、そのエネルギーを受けてさらに大きなエネルギーを発熱していた。それはどんなに苦しく甘い時間だったことだろう。そんな時代の中に身を置いてみたかったと、やっぱり羨ましくなる。
時代のエネルギーに焼き尽くされた多くの人々もいたのも理解できるが、焼き尽くされる幸せもあったのではないだろうか。
そして今だってきっと次の何かが生まれようとしているエネルギーがあり、それに気付かず必死に生きている誰かがいる。そして「あの時代は良かった」とうらやましがる人がまたいるのだろう。
横尾忠則も宇野亜喜良も時代を築き次への橋渡しをしてきているし、今も築き続けている。
こんな凄い人たちを目の当たりにできることを幸せなことだと、しみじみ思う。